ドクターズインタビュー

先生の治療方針やベースとなる考え方を教えてください

まず、できるだけ痛みを与えないようにするということですね。そして、多くのお子さんにとって「歯医者が楽しいところだ」と思ってもらえるような取り組みをすることで、将来的に歯医者さんに通うことに恐怖心や抵抗感がないようにしたいと思っています。
また、乳歯の段階から「カリエスフリー」な口内環境を目指してもらえるように親御さんにお声がけをしています。具体的には、飲み物は基本的に水とお茶だけ。ジュースや乳酸菌飲料など砂糖が多いものは避けてもらいたいですね。なお、最近では顎の成長が足りていない子が多いので、そういった面でのアドバイスをさせていただくこともあります。

当院の小児矯正の特徴を教えてください

お子さんの矯正治療は、できるだけ早期介入して顎の成長に装いながらサポートしていくことが重要です。大人になってからの矯正も不可能ではありませんが、歯を削ったり抜かなければならなかったりすることや費用面で負担が大きくなります。しかし、お子さんの矯正は比較的費用を抑えつつ削ったり抜いたりせずに治療が行えます。
矯正を始めるタイミングやポイントについては、医師の目線で診断がつきやすいところがありますので、そこはしっかりアドバイスさせていただきます。

先生が治療の際に心がけていることを教えてください

私たちは、お子さんを押さえつけて治療するようなことはなく、虫歯をなくしてあげることや歯医者さんに対する恐怖感をなくすことを何よりも大切にしています。歯医者さんが怖くなると歯磨きすらもしなくなってしまうこともあると思いますから、幼い頃から（物心着く前から）歯医者に通う習慣をつけていただき、楽しいと感じてもらうことが大切ですね。

小さい頃から歯医者さんになれるためにどんなことをしておられますか？

とても小さい頃から来ている子は大丈夫なのですが、それでも恐怖心を抱いていたり治療が難しい子は多くいます。今は、いきなりチェアにあげることなく親御さんの膝上で治療を受けていただくところから始まります。その上で、お子さんに自信がついてきたらチェアに乗ってもらいます。その時には「しっかり口を開けてじっとしていてね」という約束ができていることが重要です。

患者さんの痛みを抑えるための取り組みをお聞かせください

当院では、電動麻酔を使用して患者さんの痛みや負担を軽減できるようにしております。また、表面麻酔を活用することによって麻酔を打つこと自体の痛みも少なくなるようにしております。さらに、「笑気麻酔」を導入しておりますので、大規模な治療が必要な場合でも安心して受診していただけます。

先生は予防にも力を入れておられますが、どういった取り組みがありますか？

まずは、「予防行動」ができているかどうかのヒアリングを行います。例えば、長期休みの間のお子さんは飲食回数や時間が乱れたりジュースなどが増えがちです。そういったところをしっかりと聞き取って改善できるところは行います。また、お子さんの予防には「フッ素洗口」をしていただくことがあるのですが、約1ヶ月で一包使うことになるので、そこがちゃんと減っているかどうかなどもヒアリングします。
なお、いくら専門的なクリーニングを受けたところで、毎日のセルフケアがちゃんとできていなければ意味がないので、そこは力を入れていただきたいと思っています。

予防に関して飲み物に対しての意識は大切なんですね

そうですね。ジュースなどの清涼飲料水はもちろんですが、乳酸菌飲料なども砂糖がたくさん含まれていますので、要注意であることをお伝えしています。口の中は、飲食を行うと酸性になり、3〜4時間をかけて中性に戻ります。お子さんがご飯を食べて飲み物を飲んで…ということを空き時間なく繰り返していると「中性」に戻る隙がない状態になるので、虫歯にもなりやすくなりますね。なので、飲み物をお茶や水に変えることで「酸性」になる時間を減らすことができます。

最後に皆さまへメッセージをお願いします

当院に来られる親御さんの多くは、「虫歯にならない環境を作ってあげたい」という思いがあります。ご自分が辛い思いをしたからこそ、子どもには同じ思いをさせたくないということが多いようです。しかし、実際にはそんなに難しいことをしなければならないわけではありません。当院としては、小さな頃から虫歯などで歯医者に行くことが怖くない、口が気持ち良くなるところという認識を持っていただければと思っています。